めがね学校@おおさか

なあなあ。大阪に眼鏡学校て、あんのん?/ いやー、知らんわぁ。なに習うン?/ せやねん。わかれへんねんー。/ めがねの学校?・・・わからんなー。/

視覚はよみがえる

2017.07.18

いつも眼鏡学校・ブログをご覧いただきありがとうございます。




『視覚はよみがえる』三次元のクオリア
(スーザン・バリー 筑摩書房)

視覚の勉強をしていた40年前の学生時代に出会っていたら、
また違う人生歩んでいたかもしれないな。
私に、そう思わせた本。

ことしの眼鏡学会の記念講演で、米国オプトメトリストの
内藤貴雄先生が紹介してくれたのを取り寄せて初めて読み、
頭を殴られたような衝撃を受けた。

著者の「スー」は、二歳から数度にわたる交代性内斜視の
眼位矯正手術を受けたが、正常な両眼視機能=立体視を
得ることはできなかった。発育の過程で片眼ずつの視力は
保たれていた。
しかし左右の眼の動きを共働し
「同じものを両眼で同時に見る」
ことはできなかったのだ。

しかし48歳の誕生日の翌日、彼女は奇跡的に立体視を
得るのである。
「ハンドルが固有の空間を占めて宙に浮かび、
ハンドルとダッシュボードのあいだには、
何もない空間がはっきりと存在していたのだ。
ハンドルが目の前に浮いていた」

この本の特徴は、単なる体験記ではない
ということ。
彼女自身、神経生物学者であり、生物学的あるいは
医学的な考察や自分を使った実験が、
記述の大半を占める。
ある年齢を過ぎると両眼視機能の発達は見込めない
「臨界期」を神経ニューロンやシナプスのモデルで
証明しようと試みたり、何人もの高名な
検眼医(オプトメトリスト)を訪ね歩き、
機能回復の可能性を探り、さまざまな訓練法を
「科学者の視点で」試しているのである。


著者は少女時代、調節性内斜視治療のために
二重焦点眼鏡を装用したり、眼位手術後の
プリズム眼鏡装用、また訓練法として有名な
「ブロックひも(ストリング)」も詳細な
記述があり、彼女が体験した治療法、検査、訓練は、
両眼視機能学の歴史であり、視機能学概論の
教科書として眼鏡学校でも使いたくなる内容である。

私は「ブロック・ストリングス」の「ブロック」は
紐に取り付けられた「玉」のことだと思っていたが、
それを発明したのは開業医の
「フレデリック・W・ブロック」だったこと、
ブロック医師自身も斜視を持っており、
彼が初めて治療した患者は自分自身であったこと、
をこの本により初めて知った。

そのほか「ジャバルの法則」の
医師「ルイ・エミエール・ジャヴァル」が
視能矯正法を考案した人であることなど、
視能訓練、視機能検査の勉強のなかで
一度は耳したことのある先達が、
数多く紹介されていて興味深い。



〈 明日につづく 〉

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